RISCAD Update 2025年5月第2週【週刊化学災害ニュース】
2025/5/7 12:00 – 2025/5/14 12:00時点までのニュースファイルをお送りいたします。

投稿日:2025年5月20日 16時30分
更新日:2025年5月30日 14時20分
2025/5/10発生の、スペイン・塩素を保管した倉庫の火災
スペイン・バルセロナ県ビラノバ・イ・ラ・ジャルトル市の工場の化学薬品倉庫で火災が起きた。保管されていたプール清掃用の塩素約70tの漏洩が起きた。約7時間後に鎮火したが,同倉庫の屋根が焼落ちた。2名が病院に搬送された。同市と近隣の4市の約150,000名に外出禁止令が発令され,約7時間屋内退避となった。当局の調べでは,消防活動の放水により塩素が化学反応を起こした可能性があり,リチウムイオンバッテリの漏電が着火源の可能性がある。
2025/5/12発生の、新潟・小学校で消毒用の漂白剤入りの水を児童が誤飲
小学校でジャグの消毒のために入れられていた漂白剤入りの水を児童に誤飲させる事故が起きた。誤飲した児童6名が病院に搬送され,うち紙コップ半分以上の水を飲んだ児童1名が経過観察のため入院したが,いずれも体調不良や異常はなかった。市の教育委員会の調べでは,予定されていた水道工事による水の濁りに備え,当日朝に学校職員がジャグを3つ用意して注水し,そこに教員が漂白剤を入れて消毒を行っていた。本来,数分後にはすすぐべきところ,昼過ぎまで漂白剤が入った状態で放置されていたジャグに,教員が蓋をして,校内のオープンスペース3箇所に配置した。誤飲した児童が味の異常を訴えたため,ジャグは全て撤収され,水はやかんでの提供に切替えられた。教職員間での連絡不足やジャグに「消毒中」などの表示がなかったこと,ジャグに蓋をする前に内容物を確認しなかったことなどが原因の可能性がある。
2025/5/13発生の、東京・中学校で理科の実験中に硫化水素による体調不良
中学校で理科の実験中に硫化水素による体調不良が起きた。実験に参加した40名の生徒のうち6名が体調不良となり,12:55頃に消防に通報があった。うち3名が救急搬送され,残りの3名も病院を受診したが,全員軽症であった。警察と消防の調べでは,9:45から10:35の間に理科室で,試験管に硫化鉄と塩酸を入れて硫化水素を発生させる実験を行った。硫化水素の発生を確かめる際,教員は試験管の口をあおいで臭いを嗅ぐように指導していたが,一部の生徒が試験管から直接臭いを嗅いだため,高濃度の硫化水素を吸込んだ可能性がある。実験時,理科室の前後の扉や窓は全開にしていた。
さんぽのひろば編集室