RISCAD Update 2025年5月第4週【週刊化学災害ニュース】
2025/5/21 12:00 – 2025/5/28 12:00時点までのニュースファイルをお送りいたします。

投稿日:2025年6月6日 14時30分
更新日:2025年6月11日 10時00分
2025/5/25発生の、中国・花火工場で落石から火災,爆発
中国・広西チワン族自治区河池市の煙火工場で落石を発端とする火災,爆発が起きた。消防が約6時間後に消火した。けが人はなかった。当局の調べでは、同工場の裏山からの落石により,煙火に着火して火災が発生し,拡大して,爆発に至った可能性がある。同工場では,花火や爆竹を製造していた。
2025/5/27発生の、東京・工事現場で地中に埋まっていたアセチレンガスボンベが損傷,爆発
住宅新築工事現場で地盤に補強杭を打込む作業中に地中に埋まっていたアセチレンガスボンベのガス爆発が起きた。工事車両1台が全焼し,周辺の住宅や店舗など38棟で爆風により壁や窓,エアコン室外機などが損傷した。工事作業員や近隣住民など10名に喉や耳の痛みの症状が出たが,いずれも軽傷であった。警察と消防の調べでは,工事現場は約40年前から駐車場として使用されており,地中約60cmの位置に長さ約1m,直径約26cmのアセチレンガスボンベが埋まっていた。当日8時から作業員4名で作業を開始し,9時半ごろに補強杭を打込んだ際に白煙が発生したため作業員は避難した。ボンベが補強杭に接触して直径約6cmの穴が開き,漏洩したアセチレンガスにボンベと金属との接触時の火花などで着火した可能性がある。その後の調べで,ボンベには1964年11月の刻印が見つかった。
2025/5/27発生の、中国・化学工場で爆発,火災
中国・山東省高密市の化学工場で爆発,火災が起きた。工場から灰色とオレンジの煙が立上り,近隣の建物の窓ガラスや天井が損傷した。車両55台と隊員約230名が消防救急活動を行ない,火災は翌日鎮圧された。5名が死亡,19名が負傷,6名が行方不明となった。同工場では農薬,医薬品や精密化学工業の中間体を開発,生産しており,従業員は約300名とされている。
2025/5/28発生の、愛知・小学校で理科の実験中に誤指導によりエタノールで児童がやけど
小学校で理科の実験中に講師の誤指導によりエタノールに着火した。児童1名が右の掌,指,腕にやけどで重傷を負い,約3週間入院した。教育委員会の調べでは,6年生の児童約30名が,植物の葉で光合成によりでんぷんができることを調べる実験をしていた。本来の実験の手順は,葉とエタノールが入った試験管を約80℃の湯が入ったビーカで湯煎して葉の色素を抜き,ヨウ素をかけてでんぷんの有無を確認するものであったが,講師が,葉とエタノールが入った試験管を入れたビーカを湯温が80℃になるまでガスこんろで加熱するように指導したため,ガスこんろの火でエタノールに着火した可能性がある。学校はやけどを負った児童の患部を流水で冷却する措置を行ったが,救急車の要請をしなかった。学校の依頼で児童を迎えにきた保護者が病院に連れて行ったが,やけどが重傷であったため,より専門的な治療が可能な病院に入院した。
さんぽのひろば編集室