RISCAD Update 2023年11月第3週【週刊化学災害ニュース】

2023/11/10 12:00 – 2023/11/17 12:00時点までのニュースファイルをお送りいたします。

投稿日:2023年11月22日 10時00分



*2023/11/11発生の、千葉・自動車解体施設で火災

:施設の建屋や解体用の車両などが焼けた

*2023/11/11発生の、熊本・めっき工場のボイラで火災

:工場の天井やボイラ設備の一部など約75平方mが焼けた

*2023/11/14発生の、東京・車内清掃中の新幹線内でスマートフォンが発煙

:乗客の忘れ物のスマートフォンからの発煙。車内に煙の臭いがついたことなどから、車両は運転見合わせとなり、約900名に影響が出た

*2023/11/14発生の、静岡・下水道改修工事現場のマンホール内で硫化水素中毒

:市が委託した下水道内の改修工事中の事故。汚水から発生した硫化水素がマンホール内に充満し、作業員がそれを吸った可能性。作業員2名が病院に搬送されたが、うち1名が死亡。作業時、マンホール内には換気用の送風機が設置されていなかった

*2023/11/14発生の、広島・車両整備工場の塗装作業場で火災

:作業中に何かの原因で出火した可能性。作業場が全焼

*2023/11/15発生の、富山・製薬工場でメタノールを使用して清掃中に火災

:医薬品の原料などを製造する工場での火災。従業員がメタノールを使用して設備の清掃をしていた際に、何かの原因で設備付近から出火した可能性。従業員1名がやけどで重傷



11/15に兵庫で以下の火災が起きました。

11/15 兵庫・廃棄物収集車で廃棄物の火災
廃棄物収集車で廃棄物の火災が起きた。作業員が消防に通報した。消防が消火したが、荷箱内の不燃廃棄物約3.6平方mが焼けた。警察と消防の調べでは、不燃廃棄物に混入したガスボンベが荷箱内で破損するなどし、内部に残留していたガスが漏洩して着火し、他の廃棄物に延焼した可能性がある。

廃棄物処理施設や、廃棄物の収集車が関連する火災が後を経ちません。

この事故ではカセットこんろ用ガスボンベが不燃廃棄物に混入していたことが原因と考えられます。他にも、不燃廃棄物にリチウムイオン電池を搭載したモバイルバッテリなどが混入したことなどが原因となり火災が発生した事例があります。

このような事故によって被害を受けた廃棄物処理施設や収集車は、修理、更新などのためにしばらく使用できなくなる可能性が出てきます。すると、ごみの回収頻度や処理能力が一時的に落ちることが考えられます。私たちが生活をすれば少なからずごみが出ますが、そのごみの回収や処理が止まってしまうと、私たちは衛生的な生活を送ることができなくなってしまいます。

そろそろ大掃除の季節がやってきます。私たちの「ついうっかり」によって事故が発生しないよう、地域のごみ回収カレンダーやごみの分別ルールをもう一度見直してみませんか。

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さんぽニュース編集員 伊藤貴子