RISCAD Update 2019年9月第2週【週刊化学災害ニュース】
2019/09/06 12:00 – 2019/09/13 12:00時点までのニュースファイルをお送りいたします。

投稿日:2019年09月18日 11時30分
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*2019/08/28発生の、ベトナム・電球倉庫火災で水銀が拡散
:電球倉庫の火災で、倉庫内に保管されていた電球や蛍光灯約48万個が焼けた。原料として使用されていた15-27kgの液体水銀が加熱されて気化して大気中に拡散し、環境被害と健康被害が発生
2019/09/08発生の、岡山・廃棄物保管場で火災
:廃棄物収集運搬会社の廃棄物保管場で、廃材などが大量に保管されていた。鉄骨造平屋建ての小屋10棟とコンテナ3基など計約270平方mが全焼した
*2019/09/09発生の、千葉・観光ホテルの機械室で非常用電源使用中に火災
:ホテルは台風15号の影響で停電し、火災発生の約4時間前から機械室内に設置された非常用電源を使用して営業していた。火災があった建物の5階にはレストランがあり、宿泊客ら約300名が食事中であったが、全員避難してけが人はなかった
*2019/09/09発生の、千葉・台風の影響でダム湖面の太陽光発電施設火災
:工業用水用ダムの水面を利用して設置された太陽光発電施設での太陽光パネルの火災。台風15号の猛烈な風の影響でパネルが吹き寄せられ、倒れたり折り重なったりしたまま発電して短絡が起きた可能性。自然災害が発端となって起きる産業事故、Natech(ナテック:Natural-Hazard triggered Technological Accidents)に該当
*2019/09/11発生の、鹿児島・ロケット打上施設で発射準備中の発射台で火災
:無人補給用ロケット発射準備中の火災。発射台底部にある、発射時に補助ロケットから出る炎や噴煙を逃がす開口部付近から出火した可能性。影響でロケットの発射は中止された
*2019/09/12発生の、佐賀・廃油リサイクル工場の倉庫で火災
:倉庫の内壁やドラム缶の一部など計約7平方mが焼けた。倉庫内には廃油入りのドラム缶などがあり、一部の缶の上部が焦げ、その上に乗せてあった布が燃えていた
報道でも伝えられているように、台風15号による被害により、千葉県内の約5万戸で未だ停電が続き、約8,500戸では断水も続いているとのことです。(9/18午前9:00現在の情報)
徐々に復電戸数は増えていますが、それに伴い、通電火災のニュースが聞かれるようになってきました。
「通電火災」とは、自然災害、今回のような台風もですが、もちろん地震による災害などが原因となって停電が起き、その後復電したことにより起きる火災のことです。例えば住民が避難中で不在の住宅などで、災害発生前に通電して使用していた照明器具や電気ストーブの電源が倒れたままの状態で入ってしまったり、電化製品のコードが災害により破損したところに通電して短絡して出火したりといった状況から発生する火災などがあります。
対策としては、避難や一時的に家を空ける際にブレーカを落とすこと、電化製品などの電源コードを抜いておくこと、電化製品などのスイッチを切っておくことなどがあげられています。また、復電後も、ブレーカを上げたら電化製品の電源をひとつずつ入れ、異常がないか確認することが大事だそうです。実際に、復電後数時間経過してから火災が起きたケースがあり、漏電などは素人が見て分かるものではないことが多いため、異常を感じたらすぐに対応できる状態で通電することが大事です。
しかし、私自身が一番思うことなのですが、これらのことを知識として知っていても、実際の災害時、パニックになった精神状態でブレーカを上げてから避難ができる自信はありません。また、復電した際にはその喜びで、すっかり確認を忘れて電化製品の電源を入れてしまいそうな気がします。
人間、非常時に冷静になることはとても難しいことではありますが、二次的な被害に遭わないためにも、脳裏に焼き付けておきたいことです。
