RISCAD Update 2022年2月第2週【週刊化学災害ニュース】
2022/02/04 12:00– 2022/02/10 12:00時点までのニュースファイルをお送りいたします。

投稿日:2022年02月16日 10時00分
:工場内には約500t、敷地内の鉄道車両内に約100t、計約600tの硝酸アンモニウムが保管されており、爆発の危険があったため、消防が工場から半径1.6km以内の住宅など約250棟、計約6,500名の住民に避難を呼びかけた
:浮体式石油生産貯蔵積出設備船(FPSO)の爆発、火災により、貯蔵されていた石油が海上に流出。爆発や流出した石油の影響で環境災害が起きる可能性
:従業員が機械を使用してドラム缶を切断中に出た火花で何かに着火した可能性。切断作業中の従業員1名が重傷
:工場が全焼し、隣接する倉庫2棟の一部が焼けた
:産業用機械の部品などを製造する無人の工場での火災
:敷地内にあったフォークリフトのパレットが焼け、近くの倉庫に延焼。敷地内で稼働中であった焼却炉の火がパレットに燃え移った可能性
2/8 静岡・住宅でストーブの使用中に殺虫剤を使用して火災
木造2階建ての住宅でストーブの使用中に殺虫剤を使用して火災が起きた。同住宅の住人が消防に通報した。消防が約2時間後に消火したが、同住宅が全焼し、隣接する住宅の一部が焼けた。全焼した家の住人1名が煙を吸って軽傷を負った。警察と消防の調べでは、室内でストーブを使用中に殺虫剤を使用し、ストーブの火で殺虫剤の可燃性の噴射剤に着火した可能性がある。
火気付近で殺虫剤を使用したことが原因となる事故は、ストーブ付近での使用のほか、台所のガスコンロ付近での使用でも起きています。
思うに、殺虫剤を使用する時は火気厳禁であるということは分かっているのに、虫が出たことで動揺してしまい、咄嗟の判断ができずにストーブの方に向けて殺虫剤を噴霧してしまったり、コンロの火をつけたまま殺虫剤を噴霧してしまったりといったことがあるのではないでしょうか。虫への嫌悪、恐怖の気持ちが先立ち、正しい判断を見失ってしまうーそんな心理的要素も事故の一因かもしれません。
しかし、もしそのような状況に陥っても、一呼吸置いて冷静になって、ストーブを消す、ガスコンロを止めるなどしてから殺虫剤を手にしてほしいと思います。その隙に虫に逃げられたとしても、火災やガス爆発が起きて、大事な家財が焼けたり、破損したり、ご近所に迷惑をかけるよりはいいと思うのです。
【参考記事】
- スプレー缶に関連する事故【注目の化学災害ニュース】2018年12月のニュースから RISCAD CloseUP
- 台所での事故を考える【注目の化学災害ニュース】2020年2月のニュースから RISCAD CloseUP
- スプレー缶−そのしくみと危険、注意点をもう一度考える−【注目の化学災害ニュース】2020年8月のニュースから RISCAD CloseUP
さんぽニュース編集員 伊藤貴子