RISCAD Update – 2017年9月第3週【週刊化学災害ニュース】

2017/9/8 16:00 - 9/15 16:00時点までのニュースファイルをお送りいたします。

投稿日:2017年09月20日 10時00分

*2017/8/20発生の、福井・原子力発電所で可搬式ポンプの送水試験後にホースが外れ熱水が飛散
:(今年8月の事故)ポンプは原発の新規制基準対応のため新設されたもので、停止時の操作手順が作業手順書に明記されていなかった
https://riscad.aist-riss.jp/acc/9044

*2017/9/12発生の、大阪・大学の実験室で実験中にフラスコが破裂
:大学は休日や夜間に1人で実験することは禁じていたが、負傷した大学院生が夜間に1人で実験中だった
https://riscad.aist-riss.jp/acc/9045

*2017/9/12発生の、福岡・汚泥燃料化施設の集塵機で火災
:汚泥を高温で乾燥させ、石炭の代替燃料になる固形燃料を製造する施設。堆積した粉塵が原因の可能性
https://riscad.aist-riss.jp/acc/9046

*2017/9/12発生の、神奈川・大学の研究室で液化炭酸ガスボンベが破裂
:無人の研究室での事故。ガスボンベ底部に破裂痕。今のところ原因は不明
https://riscad.aist-riss.jp/acc/9047

*2017/9/13発生の、熊本・金属解体工場でドラム缶の解体作業中に爆発
:空のドラム缶をガス溶接機で溶断しようとして爆発
https://riscad.aist-riss.jp/acc/9048

 今回は、上記ニュースとは関係ない事故のお話をさせていただきます。

 RISCADには登録していませんが、イングランドで、自動車の中で消臭スプレーを使用し、その後タバコに火をつけたところ、車内に残留していたスプレーの可燃性ガスに着火して爆発し、車が大破したとのことです。幸いなことに、被害者の命に別条はないとのことですが、かなりのやけどを負ったであろうことは容易に想像できます。また、過去には日本でも同様の事故が起きています。

【RISCAD】 乗用車の中で殺虫剤が引火爆発(2004年の事故)
       カーエアコンの消臭剤を車内で使用し発火(2008年の事故)
       冷却スプレーのガスが自動車内で爆発(2013年の事故)

 消臭スプレーのほか、特に車内で使用する可能性高いものとして、車内冷却用スプレーや制汗スプレー、アイシングスプレー、虫除けスプレーなど(あくまでも一例です)があげられます。これらを車内で使用した後にも、喫煙はもちろん、その他の火気使用でも上記爆発事故と同様のことが起き得ます。

 密閉空間等でのスプレー後の火気使用はくれぐれも(うっかりでも)しないように注意しましょう。

【関連記事】 RISCAD Close UP – 再確認してください!スプレー缶の処分方法【注目の化学災害ニュース】2017年8月のニュースから
 こちらはスプレー缶処分の際の穴あけについて触れた記事です。この場合でも火気のそばで作業を行い、穴あけで漏れたガスに着火する事故などが起きています。ぜひ併せてお読みください。

さんぽニュース編集員 伊藤貴子