RISCAD Update 2018年6月第2週【週刊化学災害ニュース】

この度の大阪府北部を震源とする地震で被災された方々に心からお見舞い申し上げます。

2018/06/06 12:00 - 2018/06/15 12:00時点までのニュースファイルをお送りいたします。

投稿日:2018年06月20日 10時00分

*2018/06/06発生の、栃木・ホテルのレストラン調理場でフロンガス中毒
:空調の室外機の故障による冷媒(フロンガス)の漏洩が原因の可能性
https://riscad.aist-riss.jp/acc/9255

*2018/06/07発生の、フランス・化学工場で爆発、火災
:研磨機から出た火花で溶剤に着火した可能性
https://riscad.aist-riss.jp/acc/9256

*2018/06/10発生の、中国・天然ガスパイプラインで爆発、火災
:天然ガス送気は爆発直後に自動制御で停止した
https://riscad.aist-riss.jp/acc/9257

*2018/06/11発生の、愛知・製鉄所で熔鋼が漏洩して火災
:漏れた熔鋼で製鉄所内のケーブルなどが焼けた
https://riscad.aist-riss.jp/acc/9258

*2018/06/12発生の、新潟・廃棄物収集車で爆発、火災
:殺虫剤のスプレー缶内に残った可燃性ガスに何かの原因で着火した可能性
https://riscad.aist-riss.jp/acc/9259

*2018/06/12発生の、三重・飲食店で宴会中に一酸化炭素中毒
:囲炉裏で炭火を使用して調理していた。換気不足による一酸化炭素中毒の可能性
https://riscad.aist-riss.jp/acc/9260

上記6/12に発生した、廃棄物収集車での爆発、火災事故ですが、これは不燃ゴミに混入した殺虫剤のスプレー缶の残留ガスが廃棄物収集車内部で漏洩し、何かの原因で着火した可能性があります。

当該自治体では、スプレー缶は中身を使い切って、缶類ごみの日に他の缶類と分別して出すことになっていましたが、不燃ゴミに中身を使い切っていないスプレー缶のゴミが混入していたということになります。

こういった事故はよく聞かれますが、これにより廃棄物収集車や廃棄物処理場で火災が起き、私たちの生活を支えるインフラに影響が出る場合もあります。

スプレー缶やカセットコンロ用ガスボンベの缶などの廃棄の際には、中身のガスを使い切ることは基本ですが、穴を開けるかどうかやごみの区分は自治体により様々ですので、みなさんももう一度お住いの地域のスプレー缶等の廃棄方法を確認して、正しい処分をしましょう。

ちなみに、一般社団法人日本エアゾール協会中身を使い切って完全にガスを抜き、穴を開けずに廃棄する方法を推奨しているようです。

また、手順などを間違うと残留ガスへの着火による火災ややけどなどの危険につながる可能性がある「穴あけ」をさせずに廃棄する方法に変更している自治体も増えているようです。危険な作業を減らすべく、穴あけ不要な自治体が増えることを願います。(以下参考情報をご参照ください)

【参考情報】
一般社団法人日本エアゾール協会サイトより
正しいごみへの出し方

自治体の廃棄方法変更(穴あけ要→穴あけ不要)の一例
・札幌市(北海道):スプレー缶・カセットボンベの排出ルールが変更になりました(平成29年7月から)
・柏市(千葉県):平成29年4月1日からスプレー缶類の穴あけは不要です
・静岡市(静岡県): 平成28年4月から、蛍光灯・スプレー缶の出し方が変わりました!
・生駒市(奈良県):使用済みスプレー缶・カセットボンベの出し方が変わります!(平成27年8月24日)

【参考記事】
再確認してください!スプレー缶の処分方法【注目の化学災害ニュース】2017年8月のニュースから RISCAD CloseUP

 

さんぽニュース編集員 伊藤貴子