RISCAD Update 2021年9月第2週【週刊化学災害ニュース】
2021/09/03 12:00– 2021/09/10 12:00時点までのニュースファイルをお送りいたします。
投稿日:2021年09月15日 10時00分
:消毒薬貯蔵タンクの直径約2cmの塩化ビニル製配管が破損して、次亜塩素酸ナトリウム約8,400kgが漏洩。次亜塩素酸ナトリウムは河川に流入し、約3km下流の海洋に流出したが、河川の水で希釈されて人への影響はなかった
:工業用水を濾過する樹脂製フィルタ洗浄用の濃度35%塩酸約2,000Lが屋外のタンクから漏洩。発電所敷地外への流出はなかった。消防が漏洩した塩酸の希釈などを行った
:化学工場内の高さ約35mのプロピレン製造プラントでのガス漏洩による火災。プロパン脱水素ユニットで内部配管で発火が起き、漏洩したガスに着火した可能性
:タービン建屋の地下3階で圧縮空気の除湿用の電気ヒータから火災。建屋にはヒータが2台あり、1ヶ月ごとに切替えて使用していた。当日は使用するヒータの切替日で、起動直後に発煙した可能性
:廃棄予定のリチウム電池が集積されていた場所から出火した可能性。敷地内の廃材などが焼けた
:定期検査中の原子炉建屋の配管からの放射性物質を含む除染水約4Lの漏洩。作業員1名の衣服の腹部周辺にかかったが、被曝はなし。建屋内の原子炉上部の空間の除染作業後、配管から除染水を抜くために閉めていた排水枡入口の閉止栓を外した際に、配管に溜まっていた除染水が排水枡に流入し、排水枡から漏洩した可能性
以下に簡略化した事故概要を掲載いたします。
敷地内に野積みされていた金属や樹脂の廃材など、約100平方mが焼けた
9/6 静岡・リサイクル会社の作業場で廃材の火災
作業場に置かれていた金属や樹脂の廃材など、約3,700立方mが焼けた
9/7 北海道・リサイクル工場でのリチウム電池からの火災(上記に掲載の事例)
廃棄予定のリチウム電池が集積されていた場所から出火した可能性。敷地内の廃材などが焼けた
9/8大分・産業廃棄物処理場の倉庫で火災
倉庫内の複数のドラム缶や建屋の屋根の一部が焼けた
何れにしても燃えやすいものが多く積み上げられている場合が多く、火災が起きると消火に時間がかかることも少なくありません。
このような、廃棄物、リサイクル資源を扱う事業所での火災のについては、私たち個人がその予防に協力できることはあまりなさそうにも感じられます。しかし、多かれ少なかれ廃棄物を出す立場として、例えば、リチウムイオン電池が搭載された製品を廃棄する際のルールを守ることなど、できることはあるのではないかと思うのです。
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さんぽニュース編集員 伊藤貴子