RISCAD Update 2022年4月第3週【週刊化学災害ニュース】
2022/04/15 12:00– 2022/04/22 12:00時点までのニュースファイルをお送りいたします。

投稿日:2022年04月27日 10時00分
:走行中のトラックの積荷の火災。積荷は、解体されて切断された煙突の一部で、内部には金属製の部品や樹脂が入っていた
:工場の天井約25平方mとダクトの一部が焼けた
:餃子などを製造する工場で、肉ミンチ機付近から出火。肉ミンチ機の電気系統の不具合が原因の可能性
:工場内のコンプレッサから出火した可能性。また、液体の塩素が漏洩し、気化して塩素ガスが拡散したため、当局が周辺住民にエアコンを停止して窓を閉め、不要不急の外出をしないよう呼びかけた
:木造の店舗約120棟が集合する市場での火災。約65時間後に鎮火したが、市場内の店舗42棟、計約1,600平方mが焼けた。けが人はなし。市場内の飲食店が集まる区画にあった飲食店が火元の可能性
:工場内部に保管されていた日用品の化学品やエタノールなどが燃えた可能性
・3/9 新潟 約1,100戸が停電
・3/13 熊本 約620戸が停電
・3/22 愛媛 約700戸が停電
・3/31 松江 約3,000戸が停電
・4/15 徳島 約800戸が停電
・4/18 北海道 約1,400戸が停電
・4/21 大分 数100戸が停電
・4/26 広島 約2,500戸が停電
カラスの巣作りに関しては、昨年のちょうど今頃のこのコーナー2021年4月第4週RISCAD Updateの文末にカラスの巣作りと停電についての話を掲載しました。毎年のように繰り返されるカラスと人(電力会社)の攻防。昨年の記事から、カラスの巣作りについて一部抜粋、改変して以下に再掲いたします。
カラスたちの恋の季節は春。3-4月頃に巣作りをし、ちょうどGW頃に卵を産むそうです。彼らは卵を産むための巣を、私たちが使用する金属製の「針金ハンガー」で作るという話をよく聞きます。なぜハンガー?と思いますが、針金ハンガーが丈夫であることと、カラスはきれいな色のものが好きで、針金ハンガーの周りを覆っているカラフルな樹脂部分の色を気に入って巣作りに使用するという説があるそうです。そして針金ハンガーのなかでも、樹脂部分が青や黄色、ピンクなどの色のものを好むため、樹脂部分が白いハンガーは狙われにくいといった話もあるそうで、カラスは相当色彩にこだわりを持っているようです。
さて、そんな賢く、こだわりを持った彼らの巣作りの場所ですが、これまたよく聞かれるのが「電柱」です。なるほど、人間の生活に近いところにいるカラスならではだなと思うものの、電柱への巣作りにより、大変困ったことが起きる可能性があります。巣の材料に使用された針金ハンガーの樹脂がはがれるなどしてむき出しになった金属部分が電線に接触すると、漏電などが起きて停電につながることがあるというのです。
停電を防ぐため、電力会社は地域を見回り、確認したカラスの巣を撤去する作業を行っているそうです。しかしその数は相当数にのぼる模様で、昨今では、カラスの巣を発見するための見回りの負担を軽減するため、カラスの巣を自動で検知するAIカメラを導入するなどの策が講じられているようです。
とはいえ、カラスにとっても自分たちの大事な巣が撤去されるのは看過できないこと。撤去作業中に威嚇してくることもあり、巣の撤去は慎重に行われているようです。
私たちが安心して電気を使用できているのは、安定した電力供給のおかげであることはもちろんですが、その裏にはまたこのような生き物との攻防もあるのです。
さんぽニュース編集員 伊藤貴子