RISCAD Update 2022年7月第1週【週刊化学災害ニュース】
2022/07/01 12:00– 2022/07/08 12:00時点までのニュースファイルをお送りいたします。

投稿日:2022年07月13日 10時00分
:製鉄所で排水口4ヶ所から河川や海洋に排出した排水から0.2-0.6mg/Lの環境基準を超えるシアン化合物が検出された。2022/6にチオシアン酸アンモニウムを含む脱硫液が河川に流出したが、脱硫液にはシアン化合物は含有されておらず、同事故とは別の不具合が発生したか、脱硫液が流出する過程でシアン化合物が混入した可能性
:2022/6に稼働開始したばかりの、冷凍や冷蔵の施設などを備えた食品物流倉庫での火災。出火時、工場内部では断熱材の取付工事中であった。何かの原因で断熱材のウレタン製断熱材から出火後、フラッシュオーバ現象で建屋内に燃え広がった可能性。鎮火までに約5日を要した
:発電機の蒸気タービンの蒸気弁の制御油配管の一部から油が漏洩し、何かの原因で着火した可能性。同発電機の運転が停止したが、配管の修理を行い、4日後に運転再開
:使用済み核燃料再処理工場の高レベル放射性廃液のガラス固化建屋で、2系列ある廃液の安全冷却水設備の仕切弁が両方とも閉められていたため、冷却が約8時間停止して廃液の温度が通常より約8℃高くなった。2系列の安全冷却水設備のうち、1系列は工事のため停止中であったが、もう1系列の仕切弁も閉められており、冷却水が流れていない状態であったため、仕切弁を開け、冷却水の流量を復帰させて冷却が回復
:当日は休庁日であったが、清掃業者が清掃作業をしており、清掃機器のバッテリ充電中に出火した可能性。火災の影響で、市役所の休日業務の一部や同庁舎1階で行われていた選挙の期日前投票が一時中断。また、スプリンクラが作動したことで、エレベータが長時間使用できなくなった
:発電機のガスタービン起動装置の潤滑油タンク上部から出火した可能性。同ガスタービンが運転停止した
実際、梅雨明け(6/27)少し前のからの暑さといったら半端ないもので、私の住む茨城県つくば市でも最高気温が35℃を超える猛暑日となった日がありました。やれやれ、6月末からこれでは先が思いやられる…と思いましたが、7/4頃からは最高気温でも30℃を少し超える程度の気温でなんとか過ごせています。
そんな連日の猛暑日となった6月末、東京電力管内では、6/26から6/30まで、電力需要ひっ迫注意報が発令されました。その期間は特に節電に協力しながら過ごされた方が多かったのではないかと思います。
そんななか、火力発電所でのトラブルが起き、発電機が停止しました。
・2022/06/30 福島・火力発電所がボイラ設備の不具合により停止
まさに電力需要ひっ迫注意報発令中のトラブルだったので、どうなることかとヒヤヒヤしましたが、なんとか切り抜けることができたようです。
また、上記の先週分のニュースファイルでもお知らせしたように、その後も、火力発電所での火災が続きました。これらの事故が起きた時には、電力需要ひっ迫注意報は発令されていませんでしたが、予定量の発電がされなければ、いくら節電をしても、大規模な停電が発生してしまう可能性があります。
・2022/07/02 千葉・火力発電所で配管から油が漏洩して火災
・2022/07/03 新潟・火力発電所のガスタービン起動装置で火災
夏の節電というとどうしてもエアコンが思い浮かびがちですが、昨今の異常が常態化したような夏の気温からすると、エアコンをつけるか否かは文字通り私たちにとって死活問題といえます。そう考えると、酷暑の日の節電手段として、エアコンの設定温度の見直しはよいとしても、「エアコンを消す」という選択肢は捨てた方が良いのではないかと思います。エアコンはもはや夏の私たちの命を守る家電製品といえるかもしれません。
とにかく、エアコンは適切に使用して今年も夏を乗り切りましょう。
さんぽニュース編集員 伊藤貴子