RISCAD Update 2023年9月第3週【週刊化学災害ニュース】
2023/9/15 12:00 – 2023/9/22 12:00時点までのニュースファイルをお送りいたします。

投稿日:2023年9月27日 10時00分
:工業用フッ素樹脂製品や電子機器の洗浄剤、フルオロカーボン系の溶剤などを製造する工場での事故。定期検査のため、遠隔操作でタンク内のエチレンを製造過程で使う釜に一時的に移替える作業中に何かの原因で爆発した可能性
:試薬の小分けや梱包などを行う工場の倉庫での火災。倉庫には試薬などが保管されていた
:工場が消火しにくい場所に位置していたことや、工場内に紙製品などの可燃物が多く保管されていたことから、消火活動は難航し、消火までに約71時間を要した
:タンクから約30Lの水酸化ナトリウムが漏洩。外部への流出はなし
:酸素を使用した実験中に気化したガスによりガラス器具の内圧が上昇して破裂した可能性。学生3名がガラスの破片で顔や腕、手に負傷
:消防士が消火や取り残された人の救助のために同工場内に入ろうとした際に爆発が起き、工場の建屋が倒壊。その約20分後にも爆発が起きた。消防士4名と工場の従業員5名の計9名が死亡、従業員1名が行方不明。消防関係者や従業員ら110名が負傷。工場ではゴルフボールの原料として、塗料やゴムなどを大量に保管していた
先週、愛知の飲食店で以下のような爆発事故が起きました。
9/18 愛知・飲食店でカセットこんろ用ガスボンベが破裂してガス爆発
ビルの1階の飲食店でカセットこんろ用ガスボンベが破裂してガス爆発が起きた。通行人が消防に通行した。同店舗のドアが吹き飛んだ。店内には客と店員計10名以上がおり、うち客1名と店員2名が病院に搬送されたが、客1名にけがはなく、店員2名が顔などにやけどで軽傷を負った。警察と消防の調べでは、厨房内の使用中のガスこんろの近くに置かれたカセットこんろ用ガスボンベが加熱され、内圧が上昇して破裂し、ボンベから漏洩した可燃性ガスにこんろの火で着火した可能性がある。カセットこんろ用ガスボンベは七輪に着火するためのバーナに使用されていた。
愛知の事故では、カセットこんろ用ガスボンベを、厨房で使用中のガスこんろのそばに置いていたとのこと、また、広島の事故では、カセットこんろ用ガスボンベの上にプレートを乗せ焼肉をしていたとのことから、いずれもカセットこんろ用ガスボンベを置いていた場所やカセットこんろの使用方法などに問題があり、ガスボンベが加熱されて内圧が上昇し、破裂して漏洩したガスに着火したものと考えられます。
朝晩に秋らしさを感じられるようになってきた今日この頃ですが、カセットこんろを使用して調理することが多いお鍋などが恋しくなる季節の到来前に、カセットこんろやカセットこんろ用ガスボンベの取扱いについて、過去の「さんぽのひろば」の記事を読み返してもう一度確認してみましょう。
【参考記事】
カセットこんろ用ガスボンベの破裂事故を防ぐには【注目の化学災害ニュース】RISCAD CloseUPさんぽニュース編集員 伊藤貴子