RISCAD Update 2023年12月第3週【週刊化学災害ニュース】

2023/12/8 12:00 – 2023/12/15 12:00時点までのニュースファイルをお送りいたします。

投稿日:2023年12月20日 10時00分



*2023/11/29発生の、イラン・製油所で爆発、火災

:製油所内の貯蔵タンク18基全てに延焼し、燃料約1,500kLが焼失

*2023/12/2発生の、熊本・マンションで殺虫剤を使用後にガス爆発

:部屋にゴキブリが出たためスプレー式殺虫剤を大量に使用し、その約1分後に、殺虫剤の噴射剤の可燃性ガスにこたつ周辺の何かの火気で着火した可能性。部屋の住人1名がやけどで軽傷

*2023/12/5発生の、鳥取・製材所で火災

:製材所の作業所と倉庫計約550平方mが全焼。また、隣接する木造2階建ての民家2棟が全焼し、付近の自動車整備工場と牛舎の一部が焼けた。けが人はなし

*2023/12/6発生の、タイ・アンモニアを貯蔵する化学工場で爆発、火災

:約1時間半後に鎮火。けが人はなし

*2023/12/6発生の、宮城・走行中のLPガスを積載した道路作業用車両の火災

:荷台にLPガスボンベを積載した、道路の線などを引く道路作業用車輌の火災。けが人はなし

*2023/12/5発生の、北海道・猟銃の手入中に暴発

:狩猟用のライフル銃の手入中に起きた銃の暴発事故。狩猟時以外に銃に実弾を装填したままであったため、銃刀法違反の可能性。猟師1名が左手に重傷



そろそろ年末の大掃除に着手されている方も多いのではないでしょうか。

清掃に使用する洗剤などの中には、スプレー缶に入ったもの(エアゾール製品)があります。

これはスプレー缶内に、洗剤の成分などの内容物と内容物を噴射させるための液化ガスや圧縮ガスを成分とした噴射剤が入っているものです。噴射剤が可燃性ガスであるLPガスやDME(ジメチルエーテル)などであった場合、着火源があれば爆発や火災などの事故につながる可能性があるので、使用の際には換気をする、火気のそばで使用しないなどの注意が必要です。

洗剤ではありませんが、上記12/2に熊本で起きた殺虫剤使用後のガス爆発事故においては、殺虫剤の噴射剤の可燃性ガスに何かの火気で着火した可能性があり、スプレー缶入り洗剤でも同様の事故が起きる可能性はあります。

新しい年を気持ちよく迎えるための大掃除が事故につながることのないよう、洗剤類も使用方法を守りましょう。

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さんぽニュース編集員 伊藤貴子