RISCAD Update 2024年2月第5週-3月第1週【週刊化学災害ニュース】
2024/2/22 12:00 – 2024/3/1 12:00時点までのニュースファイルをお送りいたします。
投稿日:2024年3月6日 10時00分
:屋内タンクから水酸化ナトリウム水溶液約500Lが漏洩して、工場の敷地内に流出。消防が除去作業を行い、約1時間15分後に終了した
:ガソリンのタンクに軽油、軽油のタンクにガソリンが誤混入。燃料輸送会社がガソリンと軽油のタンクを誤って荷卸した可能性。2/24-26の3日間で、計338台に誤混入があったガソリンや軽油を販売しており、スタンドが該当する客に同店に連絡をするように呼びかけた
:金属などの廃棄物の分別を行う施設での火災。約40時間後に鎮火したが、施設約1,800平方mが全焼。山積みにされた金属スクラップなどを重機で崩しながら消火を行うなどしたため、消火活動が難航。現場が山間部で消火用水の確保が難しかったことなどから、協定に基づき、生コンクリート製造業者のコンクリートミキサ車が給水の支援を行った
:輸出用の金属スクラップの一時保管場所での火災。大量の金属スクラップが野積みされており、重機で崩しながら消火を行うなどしたため、消火活動は難航し、約23時間後に鎮火
:熱風を循環させる大型乾燥炉から出火した可能性
:従業員が車の部品の溶接をしていた際に、溶接で出た火花で衣服に着火した可能性。従業員1名が全身やけどで重傷となり、病院に搬送された
上記、2/25発生の鹿児島県での廃棄物リサイクル中間処理施設での廃棄物の火災、2/26発生の愛知県での港の産業廃棄物置場での金属スクラップの火災と、先週は廃棄物関連の施設等での火災が発生しました。
私たち「さんぽのひろば」が情報収集できたものとして、他に資材置場で2件の火災が起きています。
2/27 埼玉・建設会社の資材置場で木材チップの火災
41時間後に鎮火。強風の影響で消火活動が難航
2/27 埼玉・住宅用建材などの資材置場で火災
資材置場が全焼。強風の影響で付近の住宅に延焼し、住宅3棟が全焼し、別の住宅2棟の一部が焼けた
このうち愛知県の事例と埼玉県での2事例については、いずれも周辺地域に強風注意報が発表されていました。
火災は冬季に多いイメージがありますが、春季にも多くの火災が発生しています。春季は乾燥に加え、強風が吹く気象条件が発生しがちであることにその理由があるようです。
折しも現在、「春季全国火災予防運動」が実施されています。火災が発生しやすい時季、私たちも火災予防意識を高めていきましょう。
【参考情報】
総務省消防庁
令和6年春季全国火災予防運動の実施
【参考記事】
もし火災が起きたら−知っておきたい3ステップ−【注目の化学災害ニュース】RISCAD CloseUP
さんぽニュース編集員 伊藤貴子