RISCAD Update 2023年7月第5週-8月第1週【週刊化学災害ニュース】
2023/7/28 12:00 – 2023/8/4 12:00時点までのニュースファイルをお送りいたします。

投稿日:2023年8月9日 10時00分
:少量の火薬が装填された金属製の演出装置の破裂事故。装置に着火後に何かの原因で破裂した可能性。破片が飛散して観客3名にあたり、1名が頭蓋骨骨折で重傷、2名が顔や手に負傷
:建屋2階にはマグネシウムが保管されており、3階には繊維強化プラスチック(FRP)製の箱などが保管されていた。マグネシウムがあったため放水での消火ができず、消火活動が難航した
:負傷した1名がアクリル製のボックス内で化学物質を使用した実験中に、何かの原因で爆発が起きた可能性。実験をしていた協力会社の従業員1名が負傷
:店舗の屋根の表面と、屋根に設置されていた空調室外機14基が焼けた。店舗内への延焼はなし
:金属スクラップなどのリサイクルを行っている工場の敷地内の資材置場での火災。重機を修理するために溶接作業中に出た火花で、付近にあった可燃性の廃材などに着火した可能性
:余ったロケット推進薬の原料の廃棄作業中の爆発事故。作業員4名がやけどを負って病院に搬送され、うち1名が全身やけどで重体、1名が重傷
先週今週と、海外での花火工場などでの事故が数件起きました。
7/24 タイ・花火工場で爆発、火災
タイ・チェンマイ県ドーイサケット郡の煙火工場で爆発、火災が起きた。同工場建屋と自動車1台が全壊した。同工場から半径約500m以内の工場や住宅、車両などが破損するなどした。11名が負傷した。同工場内に保管されていたカリウム塩に着火する可能性があり、消防が現場を立入禁止にした。当局の調べでは、同工場内の煙火保管場所の電気遮断機から出た火花で煙火などに着火した可能性がある。
7/29 インド・爆竹工場の原料倉庫で爆発
インド・タミル・ナドゥ州・クリシュナギリの爆竹工場の原料倉庫で爆発が起きた。同工場周辺の家屋や店舗などが損壊,破損するなどした。8名が死亡,2名が意識不明の重体となり,11名が負傷した。当局の調べでは,同倉庫には爆竹の原料となる化学物質などが保管されていた。
7/29 タイ・爆竹倉庫で溶接工事中に爆発、火災
タイ・ナラティワット県ムーノの爆竹倉庫で溶接工事中に爆発,火災が起きた。消防が消火したが,同倉庫が損壊し,同倉庫周辺半径約500mの290棟以上の家屋や店舗が倒壊,破損し,多数の車両が損傷した。12名が死亡し,121名が負傷した。当局の調べでは,同倉庫では,金属の溶接工事が行われており,溶接で出た火花で同倉庫内に保管されていた爆竹などに着火した可能性がある。同倉庫では1t以上の煙火を違法に保管していた。
日本国内ではあちらこちらで花火大会が開催され、大変賑わっているようです。みなさんご存知のように、国内の花火大会でのメインは尺玉などの打上花火です。そのため、花火関連の事故としては、打上場所周辺での下草火災などがあげられます。
先週8/5に東京都内で開催された花火大会では、大規模な下草火災が発生したようです。こちらの事故の詳細は来週のこのコーナーでお知らせ予定です。
読者のみなさんのなかでも、夏休みの子どもさんたちと一緒に家族や仲間で手持花火などを楽しむ機会がある方は多いのではないでしょうか。「さんぽのひろば」で過去に掲載した花火関連の記事をまとめてみました。よろしければ花火で遊ぶ前にチェックしてみてくださいね。
【参考記事】
さんぽニュース編集員 伊藤貴子