知らなかったでは済まされない家の中での事故事例 その1【注目の化学災害ニュース】RISCAD CloseUP

投稿日:2022年05月12日 10時00分

新年度になって1ヶ月以上が過ぎました。この4月から入学、就職などで新生活が始まり、実家を出てひとり暮らしをスタートするなど、生活環境が変化した方がいるかと思います。初めてのひとり暮らしというのは夢や希望に溢れている一方で、慣れない仕事や勉強をこなしつつ、炊事、洗濯、掃除などの家事を自分でしなくてはいけないといった大変な面もあります。そこで5月と6月は「知らなかったでは済まされない家の中での事故事例」と題し、実際に家事に携わってヒヤリとするまで気付くことができない、ともすると、事故を起こすまで気付けないかもしれない、家の中での事故事例をお知らせいたします。新生活に慣れてきた今、この記事を参考にしていただくことで、事故を起こしてはじめて気づくのではなく、事故を未然に防ぐ手がかりになればと思います。今月は火災などの事故が起きる可能性が多いと思われる台所など調理の場についてClose UPです。

新生活の幕開け

ゴールデンウイークが終わり、5月も早半ば近くとなりました。新年度になって1ヶ月以上が過ぎたわけですが、この4月から新生活をスタートさせ、生活環境が変化した方が多くいるかと思います。中には、生活環境の変化と共に、ひとり暮らしを始めたという方もいるかもしれません。初めてのひとり暮らしというのは、夢や希望に溢れている一方で、慣れない仕事や勉強をこなしつつ、炊事、洗濯、掃除などの家事を自分でしなくてはいけないといった大変な面もあります。

このRISCAD CloseUPでは題材として家庭内の事故を積極的に取り上げているつもりですが、毎週更新のRISCAD Updateでは、日々発生している工場での化学災害などの事故事例を中心にお知らせしており、一般住宅での事故にはほとんど触れることがありません。

今回はRISCAD Updateでは触れることが少ない家の中で起きている実際の事故事例を確認し、家の中で気をつけるべきポイントを見ていきたいと思います。関連する「さんぽのひろば」過去記事のリンクを文末に掲載しますので、そちらも参考にしていただき、事故を未然に防ぐ手がかりになればと思います。

①台所での調理中の火災

家の中での事故といえば、やはり調理で火を使用する台所で発生することが多いように感じます。新生活に伴い、初めて自炊をすることになった方には、特に知っておいていただきたいポイントです。

2022/4 兵庫・揚物調理中に火災
木造2階建ての住宅で揚物調理中に火災が起きた。消防が消火したが、同住宅と隣接する倉庫の計450平方mが全焼した。出火時同住宅には住人3名がおり、うち1名が避難時に同住宅の2階から飛降りて左腕に軽傷を負った。他の2名にけがはなかった。警察と消防の調べでは、住人が台所で揚物の調理中に出火した可能性がある。

2022/5 茨城・揚物調理中に火災
平屋建ての集合住宅の一室で揚物調理中に火災が起きた。消防が約1時間半後に消火したが、同室が焼けた。けが人はなかった。警察と消防の調べでは、同室の住人が天ぷらを調理中に出火した可能性がある。

揚物中の火災はよく聞かれる事故事例です。やはり調理中はコンロなどから目を離さないことが大事です。次の事例は、家ではなく飲食店のものですが、揚物調理中に出火した場合の消火方法を誤ってはいけません。

2022/5 京都・飲食店で天ぷら油の火災
ビルの地下の中華料理店で火災が起きた。消防が約1時間後に消火した。同店の店長が顔や腕にやけどを負った。警察と消防の調べでは、コンロの火で天ぷら油に着火した可能性がある。また、やけどを負った店長が、着火した天ぷら油に水をかけたことで延焼した可能性がある。

揚物などの高温の油を使用した調理中に起きた火災で水をかけるのは厳禁です。消火器を常備し、落ち着いて適切な方法で消火しましょう。

 

②台所での着衣着火

次は、同じ台所での事故でも、着衣着火です。

2022/4 兵庫・ガスこんろの火でストールに着火
住宅の1階の台所で水を入れたやかんをガスこんろにかけて湯沸かし中に着衣のストールに着火した。住人がストールを首から外し、消防に通報して、約10分後に消火した。住人が首周辺などにやけどを負って病院に搬送された。警察と消防の調べでは、住人がやかんの位置をガスこんろの上から覗込んで確認した際に、首に巻いていたストールに着火した可能性がある。

私は、この着衣着火こそまさにヒヤリとするまでなかなか気付けない事故事例ではないかと思っています。実際に知人に着衣着火の話をした際に、何人かから、やけどこそしなかったけれど危ないことがあったという話を聞きました。

この事故事例では、首に巻いていたストールに着火したとのことですが、調理中に衣類の袖にガスこんろの火で着火するケースなどがよく聞かれます。調理をする際の服装やその素材にも注意を払いましょう。

 

③調理中の火災−ガスバーナ、ガストーチ

そして、最近起きた調理に関連した事故事例として、以下のようなものもありました。

2022/4 神奈川・警察公舎でガスバーナ使用中に爆発、火災
8階建ての警察公舎の8階の一室でガスバーナを使用中に爆発、火災が起きた。ポンプ車など33台が約1時間半後に消火したが、同室の台所と居間計約25平方mが焼けた。けが人はなかった。警察と消防の調べでは、同室に居住する警察官がガスバーナを使用して魚をあぶっていたところ、何かの原因でガスバーナが爆発し、延焼した可能性がある。

この事故事例では、ガスバーナに不具合があったのか、使用方法に問題があったのかなどは不明ですが、ガストーチ(ガスバーナ)について、先日NITE(独立行政法人製品評価技術基盤機構)が注意を促すプレスリリース(「粗雑な作りのガストーチにご用心 ~購入時、使用時に気を付けるポイント~」)をしました。

アウトドアの流行も手伝って、身近になった感のあるガストーチ(ガスバーナ)ですが、使用にあたっては、製品の吟味と使用方法の確認を十分行ったほうがよさそうです。

 

④調理後の火災−使用後の調理器具の廃棄

最後に、これはなかなか耳にしない事例なのですが、調理器具の廃棄の際にも注意が必要ということで紹介させていただきます。

2022/3 北海道・ごみ置場に廃棄された簡易型こんろから火災
マンションのごみ置場で廃棄された簡易型こんろから火災が起きた。消防車など17台が約30分後に消火したが、同ごみ置場に置かれていたごみ少量が焼けた。けが人はなかった。警察と消防の調べでは、同マンションの住人が出火の1-2時間前に、使用後間もない熱を持った状態の簡易型こんろを廃棄し、周辺のごみに着火した可能性がある。同ごみ置場は翌日が燃えるごみの回収日で、多くのごみが置かれていた。

使用後すぐの簡易型こんろをごみ置場に廃棄したことで、周囲のごみに着火したという珍しい事例です。調理器具を使用してすぐ廃棄するといったことはあまりないとは思いますが、高温のものをそのまま廃棄すると火災につながる危険もありますので、注意しましょう。

 

まとめ

今回は家の中の台所や調理に関する事故事例と、注意したいポイントをお送りしました。次回も「知らなかったでは済まされない家の中での事故事例」と題し、家の中の、台所以外の場所での事故事例をお送りしたいと思います。

 

【参考情報】

【参考記事】

さんぽニュース編集員 伊藤貴子