RISCAD Update 2022年8月第2週【週刊化学災害ニュース】
2022/08/04 12:00– 2022/08/12 12:00時点までのニュースファイルをお送りいたします。
![](https://riss.aist.go.jp/sanpo/wp-content/uploads/sites/11/2017/06/riscad_update_bnr.jpg)
投稿日:2022年08月17日 10時00分
:処理場とその周辺の森林約15,000平方mが焼けた。処理場は、第2次世界大戦時の弾薬、花火や爆発物などの保管と制御爆発処理に使われており、約30tの爆薬や弾薬、数100kgの押収された火工品などが保管されていた
:放射性物質を利用して医薬品の研究開発を行っていた医療品研究施設の解体中の実験棟での放射線物質漏洩。破断した排水管からトリチウムなどが土壌に漏洩していたが、排水管の破断の時期は不明
:貯蔵施設には8基のタンクがあり、落雷により1基から出火して他のタンクに延焼した可能性。1名が死亡、消防士17名が行方不明となり、121名が負傷。近隣住民約800名が避難
:煙火玉の黒玉が付近の高等専門学校の木造平屋建ての弓道場の屋根を突き破って落下し、地上開発して火災が起きた可能性。弓道場約150平方mが全焼
:コンサート会場の天井付近に設置されたスモークマシンのケーブルの接触不良により、短絡が起きて出火した可能性。観客数名が煙を吸って体調不良となり、うち1名が病院に搬送されたが軽症。観客ら約6,000名が避難
:自動車整備工場の自動車部品や梱包資材などが保管された倉庫での火災。倉庫約100平方mが焼けた
先週の線状降水帯発生に伴う豪雨の後、以下のような火災が発生しました。
2022/8/11 新潟・災害廃棄物の仮置場で火災 大雨の浸水被害などによる災害廃棄物の仮置場となっている公園の駐車場で火災が起きた。消防が約1時間後に消火したが、約170平方mが焼けた。けが人はなかった。警察と消防、県の調べでは、災害廃棄物にカセットこんろ用ガスボンベなどが混入し、何かの原因でボンベ内の可燃性ガスが漏洩するなどして着火した可能性がある。
大雨が収束した後に待っているのは被災した自宅などの片付け、そして多くの災害廃棄物の始末。相当に大変なことです。家庭から出た災害廃棄物には可燃性ガスを使用した製品などが当然あるでしょう。ルール上、分別して廃棄すべきというのはわかるのですが、被災された方の労力を考えると、なかなか酷であると個人的に思います。とはいえ、行政は上記事故のように火災などの二次災害が引き起こされる可能性があるかもしれないことにルールを設定しないままにはしておけません。
「さんぽのひろば」の「RISCAD CloseUP」のコーナーでは、過去に数回、自然災害について取上げてきました。起きてしまった災害について何かをできるわけではないのですが、いつ災害が発生するかもしれない日本、いつ自分が被災者になってもおかしくないという心構えで、過去の記事を参考にしていただければと思います。
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さんぽニュース編集員 伊藤貴子