RISCAD Update 2023年5月第5週-6月第1週【週刊化学災害ニュース】

2023/5/26 12:00 – 2023/6/2 12:00時点までのニュースファイルをお送りいたします。

投稿日:2023年6月7日 10時00分



*2023/5/26発生の、愛媛・水産会社で水槽の塗装作業中に有機溶剤中毒

:塗装中の水槽内には有機溶剤入りの一斗缶があり、有機溶剤を吸って中毒が起きた可能性。従業員1名が一時意識不明の重体となったが、のちに意識が回復した。別の従業員2名も体調不良となった

*2023/5/27発生の、福岡・病院の栄養管理室で食器洗浄中に一酸化炭素中毒

:ガス給湯設備の湯を使用した食器洗浄中の事故。栄養管理室の酸素濃度が低下していたことや、同室には窓がなかったことなどから、換気不足により一酸化炭素中毒が起きた可能性。病院は当日朝から計画停電を実施しており、その後、食器洗浄機に不具合が起きていた

*2023/5/29発生の、兵庫・養鶏場でベルトコンベアの火災

:鶏糞の運搬に使用されていたベルトコンベアの火災。飼育されていた鶏数1,000羽が煙を吸うなどして死んだ

*2023/5/22発生の、秋田・製材工場の木材チップなどの倉庫で火災

:倉庫内に保管されていた約30立方mの木材チップやおがくずが燻ったため、鎮火に約21時間を要した。倉庫は無人であったが、木を切断する機械が稼働していた

*2023/5/29発生の、兵庫・塗装会社の倉庫で塗装用ローラを洗浄中に火災

:塗装用ローラを有機溶剤で洗浄中に何かの原因で着火した可能性。従業員1名が気道熱傷の重傷で病院に搬送された

*2023/5/31発生の、新潟・鉄工所でアセチレンガスを使用した溶接作業中にガス爆発

:アセチレンガスを使用した溶接作業中に何かの原因でガスに着火した可能性。けが人はなし


日本列島の各地域が梅雨入りし始めたタイミングで台風2号が発生して日本列島付近を通過し、先週末は太平洋側を中心に大雨が降りました。それに伴い、浸水の被害があった地域も複数あったようです。

ここ10年ほど、梅雨入りしてから台風の季節が終わるまで、つまり6月から10月ごろまでの期間、毎年のように豪雨による被害が出るようになったように感じます。「線状降水帯」という気象用語がよく聞かれるようになったのも10年前くらいからではないでしょうか。

地震などを含めると、日本全国どこで何が起きてもおかしくない時代になりました。災害はないに越したことはありませんが、自分が住んでいるところでは絶対に災害が起きないと言いきることはできません。

そのような場合への備えの手がかりとなるかは分かりませんが、「さんぽのひろば」で過去に紹介した、自然災害に関連した記事をまとめてみました。もしよろしければ、本格的な雨や台風のシーズンがやってくる前に再度目を通してみませんか。

さんぽニュース編集員 伊藤貴子