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  • アジアの循環経済消費に対する受容性モデル
  • アジアの循環経済消費に対する受容性モデル

    Yoon-Young Chun(社会とLCA研究グループ)

    • 松本光崇(製造技術研究部門)
    • 田原聖隆(安全科学研究部門)

    【背景・経緯】

    短い交換サイクルによって急激に量が増えているスマートフォンの電子廃棄物は、新しい環境汚染です。アジア地域の多くの国々は、急速な経済と人口増加を経験しており、この地域で消費の成長を示しています。これは、アジア地域における循環イニシアチブへの挑戦でありチャンスとなります。リファビッシュは使用できる部品を再使用し、新たに機器の寿命を延ばす方法で、資源削減と廃棄物削減を可能にする循環経済(Circular Economy)戦略です。いまだにリファビッシュ製品が導入されていないアジア地域において、消費者の購買/利用行動を理解するためにリファビッシュスマートフォンの受容性モデルを開発しました。

     

    【成果】

    スマートフォンに関するリファビッシュ製品受容性モデルを開発し、日本を含め、シンガポール、インドネシアの消費者向けに試行しました。その結果、アジアの消費者のリファビッシュスマートフォン購入/受容の意向に影響を与える潜在的な(心理社会的および人口統計学的)要因を明らかにしました。例えば、3カ国のアジアの消費者はリファビッシュ製品の性能と品質に対するリスク認識が低いほど、価格に対する敏感度が高いほど購入する可能性が高いことが分かりました。革新的な価値や技術に敏感であればあるほど、リファビッシュフォン購入の意向にこのような消費者の性向は肯定的に作用します。消費者の環境について意識する程度は循環経済消費に直接影響を及ぼすことはないが、先に提示した他の影響要因の媒介効果によって影響を及ぼしました。これらの結果を国際学会EGG20(Electronics Goes Green)およびEcoBalance 2021(The 14th Biennial International Conference on EcoBalance)で口頭発表しました。

     

    20220330_研究紹介_Yoon-Young Chun

    図 アジアにおけるリファビッシュスマートフォン受容性モデル

     

    【成果の意義・今後の展開】

    この研究により、インドネシア、シンガポール、日本のようなアジア地域では、リファビッシュスマートフォンの需要があることを確認でき、研究を通じて明らかになった影響要因はアジア市場にリファビッシュスマートフォンの事業を推進しようとするOEM/サードパーティ製造業あるいはリサイクル業主に対して、有益な指針となることが期待されます。今後は、リファビッシュ·再製造モデルがアジア地域に導入される場合、GHG排出削減への影響を算定する予定です。

     

    ※ 本課題は、独立行政法人環境再生保全機構環境研究開発基金(S16)の支援で行われました。

    2022年03月30日