爆発安全研究グループ
爆発安全研究グループ
研究職員:6名
久保田士郎 松村 知治 秋吉 美也子 杉山 勇太 丹波 高裕
契約職員等:6名
概要
爆薬に代表される高エネルギー物質の発火・爆発現象の解明を進め、安全性評価手法や可視化技術、爆発影響を低減化する技術、電池の安全性評価など、爆発安全に関連した基礎から応用に至る幅広い研究を実施しています。 また、火薬類の行政ニーズにも積極的に対応しており、大規模な野外爆発実験も実施しています。得られた成果は、安全な火薬類取扱技術の基準作成等に反映されると共に、国連試験の提案などを通じて国際的な危険物質の取扱基準の策定に役立てられるなど、安全・安心な社会の実現に貢献しています。
研究内容
爆発影響の評価と低減化技術の開発
野外爆発実験
→火薬類の取扱技術基準の策定に貢献 |
アンホ爆薬の爆発状況 |
小規模室内実験
多点計測や光学可視化で野外実験を補完。
緩衝材による爆風影響の低減化技術の開発。
爆風波面の光学可視化画像 |
爆風の等圧線図 出典:令和2 年度火薬類爆発影響低減化技術基準検討報告書(令和3年2月) |
数値計算技術
- 数値計算によって爆発影響を予測する技術を開発。
- 高精度・高速計算手法の開発。
火薬庫のモデル化 |
爆発生成気体の |
高エネルギー物質の爆発安全性評価技術
高エネルギー物質の爆轟に関する研究
- 高速現象の計測技術の高度化
- 反応流れシミュレーション技術の開発
爆薬のカードギャップ試験
発熱分解エネルギーによる爆発性評価
- 化学物質の爆発危険性評価手法としての発熱分解エネルギーの測定方法」を開発
→JIS K 4834の策定 - 金属容器と反応する化学物質の正確な熱危険性評価方法の開発。
☛金メッキ≠金
☛市販のガラス容器には種類があり、結果に差異。
硝酸アンモニウムの発熱分解エネルギー |
火薬類の安定度試験に関する高度JIS開発
- ニトロセルロースを含有する火薬類から発生するガスを定量し、火薬類の安定度を高精度に評価する手法をJISに追加。
→JIS K 4810(2023)の改正。
- メチルバイオレット紙を用いた、MV試験法と試験紙の標準化をJISに追加。
→JIS K 4822(2023)の改正。
BJS試験管 |
電池の安全性評価
- 火薬類を安全に爆発させる評価技術を電池の安全性評価に応用。
- 1.5L加熱容器、20L圧力容器でLIBの熱暴走や発生ガスを評価し、電池の安全性評価手法を開発。
1.5L加熱容器 |
火薬類の国際化対応
国連勧告が定める火薬類分類法
- 国連が主催するTDG, GHSに参加し、化学物質規制の国際協調に貢献。
- MTCの提案などを通じて、国際的な危険物質の取扱基準の策定に貢献。
|
火薬類等の有効利用技術の開発
爆轟ナノダイヤモンドの高効率製造技術
独創的な爆発デバイスの開発
→安価かつ効率的に製造するための技術を特許化
衝撃処理による機能性材料の開発
発光材料、炭素系材料など
ナノ構造を有する高エネルギー物質の合成
ナノ構造を有するニトロセルロースの開発
→燃焼性の向上、燃焼ガスの極小化を有効利用したデバイス開発への展開
研究紹介