リスク評価戦略グループ
リスク評価戦略グループ
研究職員:5名
加茂 将史 岩崎 雄一 眞野 浩行 森山 章弘
契約職員等:12名
概要
化学物質(マイクロプラスチックを含む)、ナノ材料および新型コロナウイルス感染症等のリスク評価研究を実施しています。具体的には、ナノ材料等のイノベーションの推進に必要なリスク評価のための手法の開発と適用、リスク評価に必要な欠如データを得るための計測や手法の開発、実際の環境のリスク評価とその例示、社会課題の解決を志向するリスク評価の実践などの研究を推進することで、産業と環境が共生する持続可能な社会の実現と社会課題の解決に貢献することを目指しています。
研究内容
化学物質のリスク評価・管理技術
化リスク評価の迅速化・効率化に資する有害性評価手法の開発技術
- 数理・統計的手法による生態のリスク評価のための有害性評価手法の開発
- 種の感受性分布を用いた定量的生態リスク評価に関する手法開発や不確実性の定量化
異なる生物種の毒性値を分布(種の感受性分布)に
当てはめ、データの数やばらつきの程度により
どの程度信頼できるかを明らかにする
複合曝露影響や個体群レベルの評価に関する手法開発および毒性試験による検証
- 化学物質の複合曝露影響の評価のためのモデル・統計的検定理論・組み合わせ最適化手法の開発
- 個体群レベルの生態リスク評価のための評価手法の開発
二つの物質の物性値と複合影響の程度の一例。
物性値の組み合わせにより変化する複合影響を
モデルを用いて明らかにする
休廃止鉱山や海域等における金属類の実践的リスク評価
|
河川での野外調査の様子 |
生物応答試験を活用したリスク管理手法
貴重種等の生態影響試験方法の開発 |
試験に用いる装置と生物(ミジンコ) |
マイクロプラスチック(MP)の環境リスク評価
- MPの特徴を考慮した環境リスク評価手法の開発
- 東京湾を対象としたMPの試行的リスク評価の例示
- MPの多様な特徴を考慮できる種の感受性分布の推定
- (環境暴露モデリンググループおよび排出暴露解析グループと連携して推進)
工業ナノ材料(セルロースナノファイバー、ナノ炭素、金属ナノ粒子等)のリスク評価技術
セルロースナノファイバー(CNF)の有害性評価手法の開発と安全性評価
- 多様な製品用途に対する 安全性評価の実施
- 事業者が自ら実施可能な有害性評価手法(細胞試験, 気管内投与試験, 生態毒性試験等)の開発
- 手順書の公開
CNFの安全性評価書
試験手法の標準化と普及活動
- 有害性評価試験手順書および安全性評価書の作成と公開
- Nanosafetyウェブによる国内外の最新動向の情報発信
- ナノ材料の有害性試験手法の高度化・標準化に向けた基盤的研究
CNFの安全性評価書
新型コロナ等の感染症のリスク管理・対策に資する計測と評価
- 新型コロナウイルス感染症リスクや対策効果の評価に資するエビデンスの取得と効果的な感染リスク対策の実現に貢献するための調査研究を実施
大規模イベントにおける新型ウイルス感染症対策の調査の評価
- クリーンブース等を利用した発話に伴うエアロゾル粒子の定量化
- 感染症リスク低減のための効率的な検査戦略のモデル解析
実験室内の様子
検査戦略モデルの概念図
(排出暴露解析グループと連携、新型コロナウイルス感染リスク計測評価研究ラボのメンバーとして活動)
研究紹介