排出暴露解析グループ
排出暴露解析グループ

研究職員:6名
林 彬勒 小倉 勇 小野 恭子 頭士 泰之 薛 面強
契約職員等:7名
概要
新規物質や代替物質、混合物などについて、ヒト健康や生態へのリスクの評価を進めています。それらの物質のライフサイクル全体を考慮した排出・暴露解析を実施し、物性解析手法、環境中への排出量推定手法、ヒト・生物の暴露量・リスク推定手法等の開発に主に取り組んでいます。 また、自然災害リスクや新規技術による事故リスク評価にも取り組み、水素エネルギーキャリア物質のリスク評価手法の開発や、窒素循環技術、海洋生分解プラスチックの導入や放射線対策のリスクトレードオフ解析に取り組んでいます。さらに、社会受容性調査や総合リスク評価、評価手法のアジア展開など、当グループはリスク評価研究を幅広く展開して実施しています。
研究内容
複雑混合物の暴露解析・リスク評価
混合物の網羅的計測手法
環境中や製品中に含まれる様々な化学物質(混合物)について、先端計測装置を用いて、網羅的かつ簡便に一斉計測する手法の開発を行っています
![]() 網羅分析用装置2次元GC |
![]() 2次元GCによる試料中多数成分の検出 |
先端計測データを活かす評価用プラットフォーム開発
混合物の網羅的計測データに対し、直接的にリスク評価を行える技術及びプラットフォーム開発を行っています。
混合物に含まれる沢山の物質を取りこぼしなく評価対象に加え、簡便・迅速に評価可能とする事をめざします。
Mixture Touch: 混合物計測データを解析・評価するwebプラットフォーム
災害・事故のリスク評価
災害・事故に対する化学物質リスク評価・管理手法の開発
災害や事故による事業所等からの非定常の化学物質排出について、迅速な影響予測のための手法を開発し、化学物質管理の枠組みへの実装をめざします。
大気・水域での拡散による汚染状況の予測手法を確立し、予測結果を早見表にまとめた事例集等、事前の対策検討が可能になる情報を提供します。
![]() 非定常排出時における重ガス |
![]() 早見表イメージ |
工学プラントの定量的リスク評価
水素ステーション等、様々なプラントを対象に、災害・事故のリスクを定量しリスク許容基準と比較することで、リスクベースでの合理的な安全管理の社会実装をめざします。
一般的なリスク許容基準と水素ステーションのリスク
生態リスク評価ツール(AIST-MeRAM)の開発
混合物や化審法実務の評価支援ツールの公知化・高度化
高度な生態リスク評価技術と膨大な評価用データを搭載したAIST-MeRAMの機能&DBの拡充、公知化のためのウェブ版ツールを開発します。また、AIST-MeRAMのDBをもとに機械学習等の手法による有害性補完手法開発や関連ツールとの連携を行います。
![]() |
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リスク/リスクトレードオフの統合評価
窒素循環技術の環境影響評価/リスク評価と統合評価
リスク/リスクトレードオフとその統合評価に化する手法開発を行い、エネルギー・環境に関する新たな技術への適用をめざします。
統合評価の枠組み
ナノ材料の排出・暴露評価
排出・暴露評価手法の開発
カーボンナノチューブやセルロースナノファイバー等のナノ材料について、飛散時の計測手法を開発しています。手引きや事例集を作成し、事業者の自主安全管理を支援します。 |
![]() 排出・暴露評価事例集 |
現場調査、模擬排出試験
ナノ材料及び応用製品を取り扱う現場の環境調査、飛散の程度や可能性を評価する模擬排出試験を実施しています。
![]() 現場の環境調査 |
![]() 粉体の移し替え模擬 |
![]() 複合材の切削試験 |
研究紹介