排出暴露解析グループ
排出暴露解析グループ
研究職員:5名
篠原 直秀 小栗 朋子 頭士 泰之 梶原 秀夫
契約職員等:7名
概要
化学物質、ナノ材料、コロナウイルス等のリスクや対策効果を評価するために、計測に基づきそれらの排出・暴露の解析を行っています。主な取り組みとしては、室内環境における半揮発性化合物・カビ・ダニ・エンドトキシン・放射性セシウム等の排出・暴露評価、室内や公共交通機関内における換気や粒子挙動の計測に基づくコロナウイルスの暴露評価、ダスト・食事・消費者製品等及び生体試料(尿や血液など)に含まれる化学物質の分析による暴露評価、混合物の網羅的計測手法による暴露・リスク評価、ナノ炭素材料やセルロースナノファイバー等のナノ材料の飛散粒子の計測による排出・暴露評価を実施しています。
研究内容
室内環境における暴露評価、新型コロナ感染症対策
室内環境における暴露評価
- 室内における化学物質等の挙動の解明や暴露・リスク評価の高度化に向けて、実験室及び実環境での半揮発性化合物(SVOC)の放散速度・吸着速度の測定、経皮暴露量の測定
- 住宅室内のカビ・ダニ・エンドトキシン・放射性セシウムに関する実態調査
室内環境計測の様子 |
新型コロナ感染症対策(リスク評価戦略グループと連携)
- 建築物室内および公共交通機関車室内における換気、粒子の挙動についての実態調査
- 万博に向けた公共交通機関の車内環境の計測・評価および車室内空気室清浄化・可視化の検討
- 呼気・咳シミュレーターを用いた室内環境における飛沫・飛沫核の可視化・定量化試験
車内での換気計測の様子 |
車内での模擬飛沫核の発生・計測の様子 |
人の周辺環境と体内動態モデル
開発化学物質体内動態モデル及び暴露逆推計モデル構築システムの開発
- ヒューマンバイオモニタリングによって得られた生体試料中濃度と、暴露モデルによって得られた暴露量とを結びつける暴露逆推計モデルを構築
- 暴露量評価のために、ダスト・食事・消費者製品等に含まれるフタル酸エステル類等の化学物質濃度を分析
- 尿や血液などのバイオモニタリングによる化学物質管理の実現に貢献
複雑混合物の暴露解析・リスク評価
混合物の網羅的計測手法
- 環境中や製品中に含まれる様々な化学物質(混合物)について、先端計測装置を用いて、網羅的かつ簡便に一斉計測する手法を開発
網羅分析用装置 2次元ガスクロマトグラフィ (GC) |
2次元GCによる試料中多数成分の検出 |
先端計測データを活かす評価用プラットフォーム開発
- 混合物の網羅的計測データに対し、直接的にリスク評価を行える技術及びプラットフォーム開発
- 混合物に含まれる沢山の物質を取りこぼしなく評価対象に加え、簡便・迅速に評価できる手法の開発
Mixture Touch: 混合物計測データを解析・評価するwebプラットフォーム
ナノ材料の計測および排出・暴露評価
ナノ材料の計測手法の開発
- ナノ炭素材料やセルロースナノファイバーの計測手法を開発
排出・暴露評価手法の開発
- ナノ材料及び応用製品を取り扱う現場の環境調査、飛散の程度や可能性を評価する模擬排出試験を実施
現場の環境調査 |
粉体の移し替え模擬 |
複合材の切削試験 |
成果文書の公開
- 事業者の自主安全管理を支援することを目的として、手引き、事例集、安全性評価書を公開(リスク評価戦略グループと連携)
研究紹介