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  • 液化ガスの圧力温度依存性を計測するための高圧ガス容器加温技術の開発
  • 液化ガスの圧力温度依存性を計測するための高圧ガス容器加温技術の開発

    椎名 拡海(爆発利用・産業保安研究グループ)

    【背景・経緯】
    ガスを液化ガスとして容器に充填する場合には、その容器の内容積に対して充填できる最大の充填量(質量)の比率がガス種ごとに法令で定められており、これを充填率といいます。この充填率は液化ガスの比重等から決定されていますが、高圧ガス保安法第48条第5項の特別充塡許可の制度では、「経済産業大臣が危険のおそれがないと認め、条件を付して許可した場合においてその条件に従って高圧ガスを充てんするとき」には、許可の範囲において充塡率を変更することができます。本研究では、使用を想定する温度での液化ガスの圧力が、容器で使用を想定する圧力を超えないことを実証する試験で必要となる容器の加温を、安全に均一に行うための手法を開発しました。

     

    【成果】
    加温対象に内容積9.6Lのアルミ合金製の継目なし容器を用い、7L程度の水を詰めて元弁は取付けず、上部開口から3本の熱電対を挿入しました。熱電対はそれぞれ容器内の気相部分と液部分の底面付近、水面付近の温度を計測できるように高さを調節しました。容器の加温には2つの水槽を用い、加温槽内で電熱ヒータにより加温した湯を、容器を設置した湯浴槽との間でポンプを用いて循環させることで、温度むらなく容器を加温しました。今回の実験では、40℃と65℃を十分に超える程度の温度域で容器内の水温を安定させることを目標に、湯温を調節しながら容器内の温度を計測しました。図に湯浴槽と試験容器内で計測した温度の時間履歴を示します。40℃付近では、ヒータによる加熱を停止しても緩やかな温度上昇が観測されました。これは循環ポンプの排熱によるものと考えられます。65℃付近では、ヒータのPDI制御による温度のオーバーシュート後に、温度が安定することが観測されました。安定後の容器内の温度の差は1℃程度でした。

     

    図 湯浴槽と試験容器内(気相、液相水面付近、液相水底付近)の温度時間履歴

     

    【成果の意義・今後の展開】
    湯浴を用いてアルミ製容器をほぼ均一に加温する手法を開発しました。加温する容器配管側の圧力制御等の安全対策と組み合わせることで、液化ガスが充填された容器を安全に加温し、その際の圧力を計測することができると考えられます。ただし、法令で規制された充填率を超えて液化ガスを充填することや、40℃を超えて高圧ガス容器を加温することは違法であり、安全な実験設計をもって事前に充填許可を得る必要があります。

    2026年10月21日