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  • 既存優良技術普及による国・地域の省エネ・温暖化対策順位評価
  • 既存優良技術普及による国・地域の省エネ・温暖化対策順位評価

    歌川学(持続可能システム評価研究グループ)

    【背景・経緯】

    気候変動悪影響抑制、温暖化対策が議論され、パリ協定、IPCC1.5℃報告後、野心的な目標が増えています。目標に向かい対策に効果的に取り組み、成果を積み重ね、確実に目標達成するには、全体を見て排出削減効果が大きいもの、費用対効果が高いものなどを、定量的評価に基づき優先順位をつけ計画的に取り組む必要があります。この際の評価指標・意思決定ツールを研究しています。

     

    【2019年度の取組みと成果】

    多くの施設、設備を自ら所有・運営する企業や自治体で、温暖化対策(主に省エネと再エネ)を効果的に進めるため、CO2排出・エネルギー消費の全体像を把握、既存優良技術の中から各主体で決めるミッションに基づく指標の高いもの(削減率・量、投資回収年等)を優先、詳細調査の上対策を導入、進捗点検を行います。業務部門で業種横断評価、複数指標による評価方法も開発しました。

    費用対効果は光熱費減を含む総額の最小化です。初期投資費だけ見て対策自体を断念・先送りし、後年の光熱費が増加し、全体コストが増加するようなことは避けなければなりません。

     

    【成果の意義・今後の展開】

    民間主体の排出が多くを占める国や自治体全体の削減目標を確実に達成するため、CO2排出・エネルギー消費の全体像・構造を把握、地域計画で域内主体が確実に対策設備投資を実施し排出削減の成果を上げるよう促し、全体削減量を後戻りなく確実に増やしていく必要があります。

    省エネは、設備更新時の対策導入が費用対効果も高くなります。そのためには目標年にむけ使用年数の長い建築や設備は早期の対策着手が望まれます。再エネは種別それぞれ特性があります。これらから、削減可能性、費用対効果、設備のリードタイムなどを考慮した対策指標を開発します。

     

    図 対策順位評価のイメージ

    2020年07月15日