挟み層が発破効果に及ぼす影響に関する実験的検討
高橋良尭(爆発利用・産業保安研究グループ)
【背景・経緯】
露天掘り鉱山採掘において、発破作業は作業効率の観点から非常に重要な作業です。しかしながら、鉱物を含む岩盤は均一ではなく、亀裂や性質の異なる岩盤層が混在していることも多いです。これら地質条件が発破効果へ大きく影響し、大塊の発生に伴う作業効率の低下や、飛石・振動といった周辺環境へ悪影響を招く恐れがあります。そのため、地質条件が発破効果に及ぼす影響について十分に把握した上で発破を実施する必要がありますが、その影響について未だ十分な検討がなされていません。本研究では地質条件の中でも、岩盤内に存在する異なる物性値を持つ薄い層(以下、挟み層)に着目し、爆薬の起爆に伴い発生する衝撃の伝播や破壊機構に及ぼす影響について、室内小規模発破試験を通して検討を行いました。
【成果】
本実験では、可視化のため、密度1.18g/cm3のアクリル板を用いた発破試験を耐爆実験室内にて実施しました。模擬挟み層として密度0.9 g/cm3のポリプロピレン(以下PP)板を使用しました。2枚のアクリル板の間に薄いPP板を接着剤にて接着し、試験体としました。比較のため、挟み層を設けず、アクリル板を2枚接着剤で貼り合わせた試験体についても試験に供しました。6号瞬発雷管を装薬としました。雷管起爆後、試験体内部に発生した衝撃波の伝播、破壊進展の比較を図に示します。今回の光学系における可視化画像からは挟み層の有無で、雷管起爆にともない発生した衝撃波の伝播挙動に大きな差は確認できませんでした。一方で、挟み層が存在する場合において、アクリル下板では挟み層に沿った破壊の進展がより顕著となっており、かつ上板側では亀裂の発生が抑制されていることが分かりました。挟み層が反射面となるために、挟み層近傍で引張破壊が発生し、かつ上板への衝撃波の伝播が阻害されるためであると考えられます。

図 電気雷管起爆後のPPの挟み層が(a)存在する(b)存在しない場合における同時刻の衝撃波および破壊の進展挙動の高速度撮影画像の比較
【成果の意義・今後の展開】
発破対象中に存在する挟み層が反射面となるために、挟み層に沿った破壊進展が顕著になる一方、一部で破壊の抑制が発生し、大塊が発生しやすい傾向が認められました。今後は、より実作業環境に近い条件(岩盤等)での実験や、より詳細な挟み層の影響について検討を行う予定です。また、実際の発破作業で地質条件の変更は不可能であるため、挟み層の影響を受けない発破方法の検討なども併せて検討する予定です。
2026年02月04日

