生態・健康影響評価研究グループ
生態・健康影響評価研究グループ

研究職員:5名
田井 梨絵 森山 章弘 岩﨑 雄一(兼務) 加茂 将史(兼務)
契約職員等:7名
概要
化学物質(マイクロプラスチックを含む)、ナノ材料の有害性評価及びリスク評価研究を実施しています。具体的には、ナノ材料等のイノベーションの推進に必要なリスク評価のための手法の開発と適用、リスク評価に必要な欠如データを得るための計測や手法の開発、実際の環境のリスク評価とその例示、社会課題の解決を志向するリスク評価の実践などの研究を推進することで、産業と環境が共生する持続可能な社会の実現と社会課題の解決に貢献することを目指しています。
研究内容
化学物質のリスク評価・管理技術
リスク評価の迅速化・効率化に資する有害性評価手法の開発技術
- 数理・統計的手法による生態リスク評価のための有害性評価手法の開発
- 種の感受性分布を用いた定量的生態リスク評価に関する手法開発や不確実性の定量化
異なる生物種の毒性値を分布(種の感受性分布)に
当てはめ、データの数やばらつきの程度により
どの程度信頼できるかを明らかにする
複合曝露影響や個体群レベルの評価に関する手法開発および毒性試験による検証
- 化学物質の複合曝露影響の評価のためのモデル・統計的検定理論・組み合わせ最適化手法の開発
- 個体群レベルの生態リスク評価のための評価手法の開発
二つの物質の物性値と複合影響の程度の一例。
物性値の組み合わせにより変化する複合影響を
モデルを用いて明らかにする
休廃止鉱山や海域等における金属類の実践的リスク評価
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![]() 河川での野外調査の様子 |
生物応答試験を活用したリスク管理手法
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![]() 試験に用いる生物(左:サンゴ、右:ミジンコ) |
細胞等を用いた簡便な有害性評価手法
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![]() 細胞培養の様子 |
工業ナノ材料(セルロースナノファイバー、ナノ炭素、金属ナノ粒子等)のリスク評価技術
セルロースナノファイバー(CNF)の有害性評価手法の開発と安全性評価
- 多様な製品用途に対する 安全性評価の実施
- 事業者が自ら実施可能な有害性評価手法(細胞試験, 気管内投与試験, 生態毒性試験等)の開発
- 手順書の公開
CNFの安全性評価書
細胞試験において、カーボンナノチューブを取り込んだヒト単球系白血病細胞株
(黒い細胞はカーボンナノチューブを取り込んでいる)
試験手法の標準化と普及活動
- 有害性評価試験手順書および安全性評価書の作成と公開
- Nanosafetyウェブによる国内外の最新動向の情報発信
- ナノ材料の有害性試験手法の高度化・標準化に向けた基盤的研究
CNFの安全性評価書
リスク評価の実践
マイクロプラスチック粒子(MP)の生態リスク評価
- 東京湾などの環境中におけるMP濃度の調査・測定
計測が難しい、小さい粒径のMP濃度の推計
- MPの特徴を考慮した種の感受性分布に基づくHC5(95%の種を保護できる濃度)の推定
- 暴露及び有害性評価に基づくリスク評価の実施
研究紹介